
人材募集には、1.自社のホームページや新聞等を使って募集する方法と、2.外部機関を活用して募集する方法との2つがあります。
今回は、自社で募集する際の注意点をご紹介します。
1.自社で募集する方法の注意点
(1)募集条件を明示すること
職業安定法(5条の3、施行規則4条の2)では、以下の具体的労働条件を明示することを義務付けています。
- 労働者が従事すべき業務の内容
- 労働契約の期間
- 就業場所
- 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日
- 賃金(臨時に支払われる賃金、賞与等を除く)の額
- 健康保険、厚生年金基金、労働者災害補償保険、雇用保険等の適用
(2)各種法令に違反しないこと
【男女雇用機会均等法】
事業主は以下の事項について、労働者の性別を理由に差別することが禁止されています。
- 労働者の募集、採用
- 労働者の配置、昇進、降格、教育訓練
- 福利厚生
- 労働者の職種及び雇用形態の変更
- 退職の勧奨、定年、解雇、労働条件の更新
また、厚生労働省令で定める以下の3つのケースは、間接差別として、合理的理由のない限り禁止されています。
- 労働者の募集または採用に当たって、労働者の身長、体重または体力を要件とすること
- 労働者の募集・採用、昇進、職種の変更に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること
- 労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること
【パートタイム労働法による規制】
パートタイム労働法では、事業主に対して短時間労働者(1週間の所定労働時間が同一事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比して短い労働者)を雇用する場合の規制を定めています。
- 労働条件等の文書による明示
労働基準法(15条1項、施行規則5条)で書面による明示が義務付けられている事項に加えて、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」を名しなくてはなりません(パートタイム労働法6条、施行規則2条) - 環境の整備
①適正な労働条件の確保、②教育訓練の実施、③福利厚生の充実その他の雇用管理の改善、④正社員への転換の推進、に関する措置を講じるよう努めなければなりません。 - 差別的取扱いの禁止
- 正社員への転換の推進
- 待遇についての説明
- 相談のための体制の整備、苦情処理、紛争解決援助
- 短時間雇用管理者の選任
【雇用対策法による規制】
雇用対策法第10条により、労働者の募集及び採用について年齢制限が禁止されました。例外的に年齢制限が認められる場合は以下の通りです;
- 定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
- 労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合
- 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
- 芸術・芸能分野における表現の真実性などの要請がある場合
- 60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する施策の対象となる者に限定して募集・採用する場合
法令違反については、「知らなかった」場合でも免責されないので注意してくださいね。
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