[174]株式投資型クラウドファンディングの規制緩和が検討されています

2015年5月に金商法の改正によって誕生した「株式投資型クラウドファンディング」が最近、規制緩和の是非について積極的に議論がされています。

 

株式投資型クラウドファンディング(以下「投資型CF」と言います)は、非上場株式の発行により、インターネットを通して多くの個人投資家から少額ずつ資金を集める仕組みです。投資上限額は一人当たり一社につき50万円まで。発行会社が調達できる金額は年間1億円未満となっています。

2017年から取引が開始され、2020年までで取扱件数231件、成約件数161件、調達金額51.1億円、平均調達額3,178万円となっています。(出所:金融庁)

 

令和3年2月18日、金融審議会で「市場制度ワーキング・グループ」が開催されました。そこでは、非上場企業への成長資金供給に関する課題が議論され、議論の中心として「株式投資型クラウドファンディング」が取り上げられました。

現在議論となっているのは、以下の3点です。

  1. 年間発行可能総額(1億円未満)の算定方法の見直し
  2. 投資家の投資上限額(50万円以下)のあり方の見直し
  3. 少人数私募の人数算定方法の見直し

 

  1. 年間発行可能総額(1億円未満)の算定方法の見直し
    (現行制度)
    現在は、年間の発行可能総額は以下の①~③を合算されて算定されています
    ①今回の投資型CFで発行する有価証券の総額
    ②今回の投資型CF開始前1年以内に発行する有価証券の総額
    ③今回の投資型CFの申込み期間中に発行する有価証券の総額
    (検討の方向性)
    投資型 CFの発行可能総額 1 億円未満 の潜脱を防止し 、発行体破綻時等の投資型 CF 投資家の損失を 1 億円未満に限定する観点からは 、発行可能総額算定にあたり  合算の対象を投資型CF で調達した金額に限定することが考えられるがどうか 。
  2. 投資家の投資上限額(50万円以下)のあり方の見直し
    (現行制度)
    投資型 CF では 、発行体が破綻した場合等に投資家の損失額を限定することなどを目的として 、投資家の投資上限額が設けられており 、現行制度上 、1 案件あたり50 万円とされている 。
    (検討の方向性)
    CF 仲介業者や CF 利用企業からは 、 投資上限額の引上げニーズが寄せられている 。また 、海外ではプロ投資家については投資上限額の制限は設けられていない 。こうした状況を踏まえ 、いわゆるプロ投資家である特定投資家については 、自身でリスクを踏まえた適切な投資額を判断できると考えられることから 、投資上限額 を見直すことが考えられるがどうか 。
  3. 少人数私募の人数算定方法の見直し
    (現行制度)
    投資型 CF の後6ヶ月間に勧誘を行うと 、勧誘対象が少人数であっても有価証券届出書の提出が必要になる。
    (検討の方向性)
    技術革新や事業環境の変化が加速する中で 、非上場企業を含めた企業の競争力の維持・強化のためには、より機動的な資金調達が必要となることから、少人数私募の人数通算期間 を6ヶ月から3ヶ月に短縮することが考えられるがどう か 。

これらの規制が緩和されることで、ベンチャー企業の資金調達の選択肢がより広がるのではないかと思っています。

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